AAO術後の早期訓練と自己管理など
2009.10.23UP vol.9
RAOもAAOも、いわば「股関節の機能を犠牲にしてでも寿命を伸ばそうとする手術」です。
股関節の骨切りをすると、広く深い範囲に渡って股関節周囲が言わば荒らされる訳だから、可動域も筋力も術後は大きく低下します。
リハビリテーションにより術前の機能まで回復させて行こうとするわけですが、大きく荒らされた股関節周囲の状況もあり、回復に時間が掛かる間に、癒着が進行して機能制限が残ると考えられます。
骨切り部が安定するまで可動域訓練は行えませんが、RAOでは骨切り後に長期間免荷するため、骨切り部の安定にも時間が掛かり、癒着が進行してしまってからの可動域訓練となりますので、どうしても大きな可動域制限が残ることになります。
篠田Dr.の言われる「RAOに合わせた遅すぎるリハビリ計画」が良くないのはここですね。
昔の考えでは、制限があっても股関節の寿命が伸びて、人工関節の必要なく済めば、骨切り術としては整形外科の学会発表では成功例なんです。
AAOももちろん基本的には同様で、人工関節にならなければ医学的には成功ですが、篠田Dr.は患者さんたちにそんな低いレベルで満足を強いる方ではありません。
術前になるべく近い機能を回復できるよう、早期荷重により骨切り部の早期安定を図り、RAOでは不可能な術後わずか1か月目からの強力な可動域訓練を行なえるようにしておられるのです。
術後1か月目から可動域訓練を始めれば、癒着が強まる3か月目まで2か月の猶予があるので、その間に頑張っただけその後の可動域が良くなり、術前に近い機能を回復することもできるでしょう。
逆にこの2か月間に頑張らなければ、RAOと変わらない可動域しか得られないことにもなり、AAOのメリットは単に早く退院できただけ、ということにもなりかねません。
これらの事から、術後1か月間の荷重と、その後2か月間の可動域訓練の重要性が理解できるでしょう。
医学的根拠に基づくこのスケジュールに従ってリハビリテーションに最大の努力を払うことは、自分自身のためを思えば当然必要ですし、
努力を怠ったりスケジュールが遅れれば、期待した機能回復が得られないのは仕方ないのです。
そして、スケジュール通り最大の努力を払って頑張ったとしても、体重や筋力や元々の関節症の進行度などの個人差によって、機能回復の程度が影響を受けるのもまた当然でしょう。