またサイトで「退院の許可がありますが、患者さんが退院を延ばされました」とあいまいに記述したために
「患者さんが調子悪いと言っているのに、病院が『早く退院して』と言っている」ように間違って受け取られかねなくなってしまいました。
このような誤解を避け、AAOの本来の長所を患者が受けられるように
今回はしっかり整理して説明を試みます。
[AAOのコンセプト]
「早期社会復帰」と「高いレベルの股関節機能温存・回復」を目的として
力学的な根拠に基づいた独自の骨切り方法を行い
生物学的な臼蓋骨片の生存とリモデリングを検証し
生理学的な根拠に基づき
「術後2日目に起立」
「術後10日目(※9日)に独歩か少なくとも片杖で退院」
「術後も特にリハビリ通院の必要無し」
という他の術式にない早いリハビリを可能とした術式です。
[術直後のリハビリについて]
早く立てれば、
●筋肉の衰えは少なくなります。
●寛骨臼骨片には上方の腸骨との間に圧迫力が加わり、早く癒合します。
この結果、
●早期に股関節の可動域訓練がより強力に行えます。
●股関節可動域の減少を避けられます。
●日常生活で使いうる複雑な筋の運動を早期に行えます。
これらを安全に行うために、
●特別な工夫が寛骨臼の切り方にも、大転子の切り方(※2009年夏頃より大転子を切らない場合が多い(高位の方除く))にもなされています。
●AAO開発当初、全例に同意のもとで特殊な検査により検証がなされました。
早期に強力なリハビリが安心して行えるようになったことで、
●早期の家庭や社会への復帰
●スポーツなど高いレベルの股関節機能温存・回復が可能になりました。
[退院時期について]
AAOの術後10日目(※9日)にはまだまだ「痛み」「跛行」もありますが、合併症や他の疾患が無ければ充分、日常生活できるため、その頃に術創がほぼ治癒しているということもあり、退院予定日とされています。
また、入院リハビリによる股関節機能向上は、術後10日目頃までは順調ですが、それを過ぎると鈍ってきて、むしろ安楽な入院生活が長引くことで「頭打ち」になる傾向もあるようです。
さらに、正常の股関節は、タイムリミットなどなくストレッチにより可動域をいつまでも伸ばしていくことができます。ところが手術後は、関節周囲の癒着が生じるため、早期に可動域訓練を進めないと限界が生じる恐れが考えられます。
そこで、安全ならば早く退院して過酷な環境に身を置く方が順調に機能を向上し続けられる可能性があることと、術後の股関節可動域の改善にはある程度のタイムリミットが考えられることから、早く頑張ることが推奨されています。
しかし、「そんなに高度のスポーツはしない」「痛みが和らぐまで入院したい」「家に帰ると過酷な家事や仕事・育児が待っているので休んでいたい」「遠方だから早く退院するのは不安」という方もみえます。
そんな方に先生が「パス通り退院しなさい」と無理に病院から追い出すような事は無く
「退院して家事や育児がキツい方の場合は『人生の休息』として、長めに入院してもかまいません」というスタンスだそうです。
つまり、急いで社会復帰したい方、スポーツをしっかり続けたい方は早めの退院がおすすめ(術後7日での退院も視野に入っているそうです)ですが、
「この機会に『人生の休息』を取りたい方には2週間でも3週間でも入院して頂いても構いません」
という幅広い選択ができるそうです。
[退院後のリハビリについて]
PTさんに見守られてのリハビリの必要があるのは術後10日目(※9日)までです。
長く入院している方はサービスでリハビリ指導していただけると思いますが、むしろ過酷な日常生活に早く戻る方がより高度なリハビリになると思います。
退院してからもわざわざリハビリ通院する必要はありません。(※全国的に他の病院の医師、PTさんはRAOしか知らない為、AAOの1ヶ月後からOKになるリハビリ強度に関してOKを出さず、RAOと同じ期間まで抑えたリハビリになってしまう場合があるかららしいのです。その為に筋力と可動域の回復が遅れる(場合によっては一生通して変わるくらい遅れる)危険性があるらしいです)
遠方の方も退院後自宅近くの病院でリハビリ指導受ける必要はありません。
受けたい方は受けても良いのですが、日常生活や仕事で十分と思います。
2009年秋頃から「術後は1か月目と3か月目が大きな節目となります。術後1か月目までは、ひたすら荷重歩行に徹し、可動域訓練は控えます。しっかり荷重歩行を完成させた事を前提に、次の段階へ移れます。1か月目になったらスポーツジムなどへ行き、「今日から3か月目までの期間限定で、股割りなどを積極的にやってもらうように主治医から言われてるのでヨロ シクお願いします」とトレーナーさんに話して、協力してもらってください。こうして、3か月目になるまでに、可動域訓練(股割り・腰割りなど大きな開脚) をひたすら頑張ることで大幅に可動域が狭まる事がなくなります」と指導されております。
鍼灸・マッサージや整体は推奨ではありません。
行いたい方は慎重に先生を選んで行う方がいいかと思います。
杖も放せるならなるべく早く放すように指導されました。
杖無しで美しい歩き方を意識して歩行した方が自然なバランスがとれ、左右差が無くなり、腕も痛くなりません。
[まとめとお願い]
特にアグレッシブにスポーツを続けたい方は早期退院の方が3ヶ月後の経過が良い場合が多いそうです。あらゆる筋力が衰えにくく、股関節可動域が維持されます。
私自身も術後10日で退院しその日から家事を行ったので経過が良いのだと思います。
このように術後の入院期間「10日(※9日)」は可動域や筋力などのできる限り高度な到達目標を目指したパスですが、逆に長く入院したい希望があればそれも受け入れられます。
ただ「サイトで経過を載せてもいいよ」という方でも、退院をご自身の事情(社会的・休養を取る意味で)で延ばされる方は、しっかり明記してください。
書かないと何も知らない方の誤解を招き、ひいては他の股関節症の患者さんの不利益になりかねないからです。
8.AAO術後のリハビリ
について
9.AAO術後の早期訓練と自己管理など
■変形性股関節症とは
■変形性股関節症
症状は
■変形性股関節症
診断は
■変形性股関節症
治療法は
■変形性股関節症
手術療法/人工股関節置換術・関節温存手術/寛骨臼回転骨切り術(RAO)など
■変形性股関節症
関節温存手術
■臼蓋内転骨切り術
(AAO)とは
■寛骨臼回転骨切り術(RAO)や偏心性寛骨臼回転骨切り術(ERAO)との術式の違い
■臼蓋内転骨切り術
(AAO)骨切り手順など
ゲストの股関節症物語
注意:こちらに書かれている内容は2006年12月に筆者(CE3)自らがAAO手術を受けた経験で書かれています。文章は篠田昌一医師に見て頂いております。また治療プログラムは各自の症例によって異なります。